綺麗事

つらい。苦しい。他のことをしたい。こんなに日常を圧迫されたくない。バイトを辞めたい。

今日そう思って話し合いを設けてもらった。上司の前に座り、その瞳を見た。絶対に言うぞと周りの友達にほざいて、辞めてくると親にまで言ったのに、その瞬間、無理だと思った。私がいなくなる未来のことを思った。人材が足りてない現状をどうやって乗り越えていくのか。そんなの、なってみなきゃわからないし、私がいなくなってからどうにかするのだろうが、その未来を思うと苦しくなった。前に座る上司の持つ日常。誰かの人生を変えてしまうということ。ここまで手塩にかけて育ててくれたのに、良い講師にしようとしてくれたのに、その期待を裏切るのか。そんなのたかがバイトだろと友達は笑うかもしれない。人生だなんて重く捉えすぎなんだよ、と。でも、違うの。誰も苦しめたくないし、傷つけたくもない。いや、そんな優しいこと思ってない。私はただ、傷つきたくないだけなのだ。辞めると言った時に目の前の人が見せるだろう表情が、怖い。その幻滅を浴びるのが、たまらなく怖い。私はただ、自分自身を守っているだけだ。防御線を張って、いつかの絶望が繰り返されないことを祈ってる。保身ばかり気にしている、弱いやつだ。