ひややか

あーまってほんとに楽しくってしかたない。最近の私は元気オブ元気であんなにじめじめしていたのが嘘のようだ。じめじめっていえば、今日東京は雨でしたがあなたはどうでした?今日の雨はどしどし降るやつじゃなく、しっとりしていたので心地よかった。肌にぴっちりと、滑らかに一体化していくような水。はあと息を吐くと水蒸気に混じっていく呼吸。

雨の日が好きだ。と、いうのは江國香織さんがおっしゃっていた影響9割、残り1割はぼんやりと本能的に好きだと思うことがあるから。雨の日は本が読みやすく、するすると想像が展開する。ねむくなるのも早くて、でも寝たとしても気持ちの悪さはあんまり残らない。晴れてたら身体に倦怠が残ることが多いけど。雨降りだからこそ惰眠を貪ってもだるさが残らないのかも。雨だからしかたない、と手放しで許している感じがする。

いっぱい書きたい気持ちだが、自転車置き場に着いてしまったのでこれにて。今日のバイトは良い気分で終えれた。明日もいい日になるだろう。

ひかる

帰り道、小田急の窓から見える住宅街に、夕陽が飴色のひかりを投げかけていた。きれいだな、と思い、そのきれいという感情にハッとしてしまった。

最近、つらくて苦しくて泣き出しそうな日々を耐えぬいて来た。そういう時、私は自分の内にこもり、感情を押し殺すことに終始する。が、そうすればするほど苦しみは増幅し、私の身体の内側を嫌な音を立てて引っ掻く。宇佐美りんさんが「くるまの娘」という作品で「鬱とは水風船を引きずっているような状態」と表現していたが、その通りだ。いつ破裂するかわからない、ギリギリのラインで耐え抜いている今日。とっくに限界なのかもしれないし、終わりなんてなくて無限に苦しみが続くだけなのかもしれない。そしてどちらにしたって、絶望しか残らない。

苦しみは盲目を従える。つらいとき、私は周りにいる誰の声も聞く気にならない。そこに誰かいて、その造形を視線でなぞるだけで吐きそうになる。どうして生きてるんだ。そう、誰も彼もに問いただしたくなる。どうして生きてるのか、どうして生き続けなくてはならないのか。

きれいだと思うのは、いつぶりだったか、思い出せなかった。ただ、純粋にきれいだと、心が動いたから思った。そのときだけは、苦しみがやわらいで、息がしやすくなったように思う。私に纏う、くろぐろとした霧が、ぼんやり薄れ、行く先がほんの少し見えたように思う。

日々は連綿と続き、永遠のように長い。歯を食いしばり、涙を堪える瞬間が積み重なって、私は今日もここに立っている。きっと、これからもそうで、きっと、ときどき救いのことを考えたりして、眠る。

のまれる

飲まれないようにと日々頑張っていて、それは効果を発揮する時もあれば無理になってしまうときもある。自分の周りにおそらく鬱である、己れの感情をコントロールするのが難しいひとがいて、私はその人と毎日のように会っている。会話をするたびに、彼女の絶望というか諦めというか、とにかく黒々としたエネルギーが身体中にまとわりつくのを感じる。振り払いたい、と思うものの、彼女が大事だという気持ちもあって、私は跳ね除けることができない。ただ、私はこんなふうになりたくはないと強く思う。センチメンタルに拍車をかけてはいけない、自分を見失ってはいけない、全てに絶望してはいけない。

だが、きっといつかは私もそちら側にいく。希望を持ち続けるには、人生はあまりにも長すぎるから。

むせそう

なんも食べる気にならず、駅前で通りかかったパン屋さんの香ばしいかおりに吐きかける。どうしてなんにも楽しめないのだろう、喜ばしいことが全て私の中で負に変わっていく。食べること、遊ぶこと、話すこと、生きること。何もかもを前向きに捉えられていた、息のしやすかった時代がはるか昔に思える。だが、何を憎むこともできず、ただ泣くことは逃げることだと思って、歯を食いしばる。

 

バイト先の先輩で、タッグを組んでいる相棒的存在の先輩がいる(まだ一年目の私は学ぶことが多すぎるが故に)。私は日々、その人から仕事を教わっている。昨日の夜に「明日出れる?」とラインが来て、いいですよと答えた。じゃあ7時半からねと言われ、了承を返した。そして今、そのバイトを終えた帰りだ。

バイトは小一時間ほどで終わった。よかった。もう少しかかると見ていたのだが、仕事が案外早く済んだ。彼が水を飲み、私はPCで出勤簿を打ち込む。彼は絶え間なく話しているが、その話題は私の耳たぶくらいのところををするりとかすめていくだけで、浸透していきはしない。わかった?と聞かれ、ぼんやりとしたまま、来週のシフトのことですよね?と返したら満足げに頷いて去っていった。会話はほぼ博打。

 

もうすぐ家につきそう。何を書きたいかわからないが書くことによって救われたいと思うことがあり、そういうときにはてなブログに書くことにする。とりあえず帰ったら夜ご飯を食べよう。苦しくても飲み込んでちゃんと栄養にしないといけない。そう、何度も言われているから。